30kmの壁とは?なぜ起こるのか
フルマラソンに挑戦すると、多くのランナーが直面するのが「30kmの壁」です。走り始めは順調でも、25kmを過ぎたあたりから足が重くなり、30km地点で急に動かなくなる現象です。
主な原因は以下の通りです。
- 筋グリコーゲン(体内のエネルギー源)の枯渇
- 長時間走ることでの筋肉疲労
- 水分・電解質の不足による脱水
- 「まだ12km残っている」という心理的なプレッシャー
体だけでなく、心にも大きなダメージを与えるのが30kmの壁なのです。
私が初めて体験した30kmの壁
初マラソンのとき、25km地点までは快調でした。1kmあたり5分40秒で刻み、「このまま行ける!」と自信満々。しかし30kmを過ぎた瞬間、足が鉛のように重くなり、フォームも崩れ、歩いては走るの繰り返しに。ゴールまでに何度も立ち止まり、記録は5時間を超えてしまいました。
このとき実感したのは、体力よりも準備不足と戦略ミスが原因だったということです。
30kmの壁を克服するための練習法
壁を乗り越えるためには、普段の練習から工夫する必要があります。
1. ロング走でスタミナを養う
週末に30km走や25km走を取り入れ、長時間走ることに慣れることが大切です。最初は20kmから始め、徐々に距離を伸ばすと負担が少なくなります。
2. ペース走で余裕を作る
目標ペースより少し速め、または同じペースで10〜15km走を繰り返すと、実際のレースでも余裕を持てます。
3. 坂道や筋トレで脚力強化
脚が動かなくなるのは筋肉疲労も大きな原因です。坂道ランやスクワットなどの補強トレーニングも有効です。
補給でエネルギー切れを防ぐ
30kmの壁は、エネルギー切れ(ハンガーノック)が最大の要因です。
- ジェルやエナジーバーを10kmごとに補給
- 給水所では必ず水分・スポーツドリンクを摂る
- 前日は炭水化物中心の食事(カーボローディング)
私は30km走のときにジェルを持参せず撃沈しましたが、次のレースでは15km・25kmでジェル補給を徹底。すると後半も脚が止まらず、自己ベストを更新できました。
補給用ジェルは走りながらでも摂りやすいタイプがおすすめです。
メンタル面の対策で心を折らない
30km地点は「あと12kmもあるのか…」と感じ、気持ちが折れやすい瞬間です。
私が効果的だったのは、レースを分割して考える方法です。
- 10km × 4本とイメージして走る
- 「30kmを超えたら残りは短いジョグ」と捉える
- 沿道の応援をエネルギーに変える
特に「最後の10kmはご褒美ランだ」と思うと、不思議と体が動いてくれました。
本番で実践した工夫と成功体験
二度目のフルマラソンでは、以下の準備を徹底しました。
- 20km走と30km走を2回ずつ実施
- レース本番で使うジェルを練習で試す
- ペースは5分50秒/kmから入り、余裕を持つ
その結果、30km地点を過ぎても大きな失速はなく、最後まで走り切って4時間10分でゴール。初マラソンで撃沈した私でも、対策すれば30kmの壁を乗り越えられると実感しました。
おすすめのランニングアイテム
- ランニングジェル:コンパクトで携帯しやすい補給食。25km付近で摂取すると後半の脚の重さが軽減され、ゴールまで余裕を持てました。
- ウエストポーチ・ランニングベルト:補給ジェルやスマホを持ちながら走れる便利アイテムです。
- 高機能ランニングシューズ:クッション性が高く、後半の脚を守ってくれます。
まとめ:30kmの壁は乗り越えられる
フルマラソンに挑戦するランナーにとって、30kmの壁は避けて通れない大きな試練です。
- ロング走やペース走でスタミナを養う
- 補給を計画的に行う
- メンタルを前向きに保つ
- 信頼できるアイテムを活用する
こうした準備を積み重ねれば、必ず壁を越えて完走できます。次のレースではぜひ、自分なりの対策を実践してみてください。